CCNA新人研修の進め方|未経験者向けの期間・カリキュラム・選び方

CCNA新人研修は、未経験者にネットワークの基礎を体系的に学ばせ、CCNA合格と配属後のOJTに入るための土台づくりを行う研修です。

研修を設計する際は、資格合格だけを目標にするのではなく、ネットワーク構成を読み、基本用語を使って状況を説明し、配属先で指示を理解できる状態までを到達目標として定義する必要があります。

本記事では、人事・研修担当者向けに、未経験者を対象としたCCNA新人研修の期間、カリキュラム、管理方法、研修サービスの選定基準を整理します。

当社研修の内容と料金は、法人向けCCNA研修の詳細ページで確認できます。

CCNA新人研修の基本設計

新人向けのCCNA研修は、次の3点を満たすように設計します。

  • ネットワークの基礎を順序立てて学べること
  • 学習中の疑問を解消できること
  • 企業側が進捗と理解度を確認できること

教材を渡すだけでは、未経験者がどこで理解につまずいているかを把握できません。受講者本人の自己申告だけに頼らず、教材の完了状況、理解度テスト、演習結果、質問内容を確認できる運用が必要です。

CCNAの公式試験範囲には、ネットワーク基礎、ネットワークアクセス、IP接続、IPサービス、セキュリティ基礎、自動化とプログラマビリティが含まれます。新人研修では、この範囲を単元ごとに分け、基礎から段階的に進めます。

新人研修にCCNAを取り入れる目的

ネットワークの共通言語を身につける

インフラ業務では、IPアドレス、VLAN、ルーティング、DNS、DHCP、NAT、ACLなどの用語が日常的に使われます。

CCNAの学習範囲は、これらを個別に暗記するだけではなく、通信がどのような経路と仕組みで成立しているかを体系的に理解する構成です。新人が配属後の説明や手順書を理解するための共通言語を身につけられます。

未経験者の理解度を確認する

未経験者は、採用時点でのIT知識や学習速度に差があります。CCNAを共通の学習範囲として設定すると、単元テストや演習結果を通じて、受講者ごとの得意分野と不足分野を確認できます。

配属判断の材料を増やす

CCNA合格だけで、直ちにすべての実務を単独で担当できるわけではありません。一方で、学習進捗、理解度テスト、模擬問題の結果、質問内容を記録すれば、配属後に必要なOJTの量を判断する材料になります。

資格の有無だけでなく、どの領域を理解し、どの領域に追加支援が必要かを把握することが重要です。

新人研修の到達目標

CCNA新人研修の到達目標は、「資格合格」と「配属準備」に分けて設定します。

区分到達目標の例確認方法
基礎理解OSI参照モデル、TCP/IP、主要プロトコルを説明できる理解度テスト、口頭確認
アドレス設計IPv4アドレスとサブネットの計算ができる計算問題、演習
レイヤ2VLAN、トランク、STPの役割を説明できる単元テスト、構成問題
レイヤ3ルーティングテーブルを読み、経路を判断できる経路選択問題、演習
サービス・セキュリティDHCP、DNS、NAT、ACLの目的を説明できる理解度テスト、事例問題
試験対策CCNAの出題範囲を横断して問題を解ける模擬問題、弱点分析
配属準備基本用語を使い、構成や障害状況を報告できるOJT担当者による確認

研修会社が提供するのは、主に資格範囲の学習と理解度確認です。配属先固有の機器、手順、報告方法、顧客対応は、配属後のOJTと組み合わせて補います。

未経験者向けカリキュラム

1.事前確認

最初に、IT基礎、二進数、IPアドレス、ネットワーク用語の理解状況を確認します。

未経験者として一律に扱うのではなく、受講開始時点の知識差を把握しておくと、復習が必要な単元と先に進める単元を分けられます。

2.ネットワーク基礎

LANとWAN、OSI参照モデル、TCP/IP、イーサネット、IPアドレス、主要プロトコルを学習します。

この段階を急ぐと、その後のVLANやルーティングを用語暗記で処理することになります。新人研修では、パケットが送信元から宛先まで届く流れを説明できる状態を目指します。

3.ネットワークアクセス

スイッチング、VLAN、トランク、STP、EtherChannel、無線LANなどを学習します。

単に設定コマンドを覚えるのではなく、どのような課題を解決する技術なのかを構成図とあわせて理解します。

4.IP接続とIPサービス

スタティックルーティング、OSPF、デフォルトルート、ルーティングテーブル、DHCP、DNS、NATなどを学習します。

経路選択の問題は、暗記だけでは安定しません。宛先ネットワーク、プレフィックス長、ネクストホップを順番に確認する手順を定着させます。

5.セキュリティと自動化

アクセス制御、機器の保護、無線セキュリティ、認証、ネットワーク自動化の基礎を学習します。

新人には、設定方法だけでなく、なぜ制御が必要なのか、誤設定がどのような影響を与えるのかまで理解させます。

6.理解度確認と試験対策

単元テスト、総合問題、試験対策問題を繰り返し、誤答した理由を確認します。

正解数だけを見るのではなく、「用語を知らなかった」「構成を読み違えた」「計算手順を誤った」など、原因別に復習することが重要です。

研修期間の決め方

研修期間は、入社日ではなく、確保できる学習時間と配属予定日から逆算します。

当社のCCNA法人研修は、総学習時間180時間を目安としており、1〜6か月の範囲で受講期間を設定できます。受講者の事前知識や、教材を扱う深さによって必要時間は変わります。

期間週当たりの学習時間の目安適している運用注意点
1か月30〜40時間技術研修に集中できる、または基礎知識がある未経験者は重点単元と復習時間の調整が必要
3か月12〜15時間新人研修と社内業務を組み合わせる学習日を固定し、業務を優先しすぎない
6か月6〜8時間業務と並行して継続的に学ぶ中断を防ぐため週次確認が必要

上記は180時間を基準にした目安です。休日学習を前提にせず、勤務時間内に確保できる時間で計画を作成してください。

短期間で完了させる場合は、受講者の拘束時間も増えます。期間の短さだけで判断せず、学習時間を実際に確保できるかを確認します。

企業側が確認すべき進捗指標

法人研修では、最終的な合否だけでなく、研修途中の状態を確認します。

確認項目確認する内容対応例
教材の完了率計画どおり学習できているか学習時間と業務配分を見直す
理解度テスト単元ごとの理解が定着しているか不足単元を再受講する
試験対策問題複数分野を横断して解けるか誤答原因ごとに復習する
最終ログイン学習が中断していないか本人へ状況を確認する
質問内容どの単元でつまずいているか補足説明や学習順序を調整する

進捗確認は、受講者を監視するためではありません。学習が止まった段階で原因を確認し、配属直前に未完了が判明する事態を防ぐために行います。

新人研修で起こりやすい課題

学習時間が業務に置き換わる

「空いた時間に進める」という計画では、日常業務が優先され、学習が後回しになりやすくなります。曜日と時間帯を決め、勤務計画に研修時間を組み込みます。

質問できずに学習が止まる

未経験者は、何が分からないのかを言語化できない場合があります。質問窓口を用意するだけでなく、単元テストや進捗状況からつまずきを確認できる仕組みが必要です。

合格だけを配属条件にする

資格試験に合格しても、配属先固有の作業手順や報告方法は別途学ぶ必要があります。CCNA研修と配属後のOJTの役割を分け、引き継ぐ不足領域を明確にします。

全員を同じ速度で進める

新人ごとに、計算問題、構成理解、用語暗記などの得意不得意は異なります。一斉の締切は設定しつつ、復習対象は個別に調整します。

CCNA新人研修の形式を選ぶ

研修形式主な特徴適している企業
集合・講師研修日程を固定し、講師が一斉に指導する同時期に多数の新人を採用する企業
教材提供型eラーニング動画や問題集を各自で進める社内で質問対応と進捗管理ができる企業
サポート付きeラーニング教材に質問対応と進捗管理を組み合わせる少人数採用、入社日が異なる企業

新卒社員を一斉採用する場合は、集合研修が運用しやすいことがあります。一方、中途採用や通年採用で入社日が分かれる場合は、1名から開始できるサポート付きeラーニングが適しています。

eラーニングの提供範囲はサービスごとに異なります。詳しくは、法人向けCCNA eラーニングの選定ポイントもご確認ください。

研修サービスの選定基準

未経験者向けの学習順序になっているか

試験問題だけを反復する構成ではなく、ネットワーク基礎から段階的に学べるかを確認します。

質問対応の範囲と期限が明確か

質問方法、受付時間、回答期限、質問回数の制限を確認します。回答までの日数が不明確な場合、学習が止まる可能性があります。

管理者が進捗を確認できるか

教材の完了状況、理解度テスト、最終ログインなどを、法人担当者が直接確認できるかを確認します。

1名から開始できるか

通年採用や中途採用では、最低受講人数と開講日が導入の制約になります。1名から開始できるか、入社日に合わせられるかを確認します。

料金に含まれる範囲が明確か

教材費だけでなく、質問対応、試験対策問題、管理者機能、延長料金、受験料の扱いを確認します。

研修費用の考え方は、CCNA法人研修の費用相場で詳しく解説しています。

当社の新人向けCCNA研修

当社は、未経験者を含む法人受講者向けに、サポート付きのCCNA eラーニングを提供しています。

項目提供内容
料金1名50,000円(税別)から
受講人数1名から
期間1〜6か月
学習時間180時間が目安
教材動画、PDF、理解度テスト、試験対策問題
質問対応受講者からの質問に原則1営業日以内で回答
進捗管理法人管理者が受講状況を確認可能
管理者アカウント1つ無料

受講者からの技術的な質問に当社が対応するため、人事・研修担当者が個別に内容を調べて回答する負担を減らせます。

また、入社時期が異なる場合でも、必要なタイミングで1名から開始できます。研修形式や料金を比較する場合は、CCNA法人研修の選び方もご参照ください。

導入までの流れ

手順実施内容
1.相談対象人数、入社日、配属予定日、事前知識を確認する
2.期間設定確保できる学習時間から受講期間を決める
3.申込み受講者情報と開始日を確定する
4.アカウント発行受講者用と法人管理者用のアカウントを発行する
5.学習開始教材、理解度テスト、試験対策問題を進める
6.進捗確認法人担当者が進捗と理解度を確認する
7.受験・配属準備弱点を補強し、受験と配属後OJTへつなげる

対象人数や配属時期が確定していない段階でもご相談いただけます。予定している採用人数と研修開始時期を伺い、適した期間をご案内します。

よくある質問

IT未経験の新入社員でも受講できますか

受講できます。ネットワーク基礎から学ぶ構成です。ただし、未経験者ほど学習時間の確保と進捗確認が重要になります。

新卒ではなく中途採用者も対象ですか

対象です。1名から開始できるため、通年採用や入社日が異なる中途採用者にも利用できます。

研修期間は何か月が適していますか

技術研修に集中できる場合は短期、業務と並行する場合は3〜6か月が目安です。事前知識、配属予定日、勤務時間内に確保できる学習時間から決定します。

CCNAに合格すれば、すぐに現場へ配属できますか

CCNA合格はネットワーク基礎を確認する材料になりますが、配属先固有の機器、手順、顧客対応は別途OJTが必要です。研修結果を使って、配属後に補う領域を明確にします。

会社側で進捗を確認できますか

できます。法人管理者用アカウントから、受講状況を確認できます。

受講者からの質問には対応してもらえますか

対応します。受講者からの質問に、原則1営業日以内で回答します。

受験料は研修料金に含まれますか

含まれません。CCNA試験の申込みと受験料は別途必要です。最新情報はCisco公式ページでご確認ください。

新人向けCCNA研修を導入する

CCNA新人研修を成功させるには、教材の内容だけでなく、学習時間、質問対応、進捗管理、配属後OJTへの引き継ぎまで設計する必要があります。

当社は、動画・PDF教材、理解度テスト、試験対策問題、質問対応、進捗管理を含む法人向けCCNA研修を、1名50,000円(税別)から提供しています。

新人の人数、入社時期、配属予定日を伺い、適した受講期間と料金をご案内します。

執筆者・参考情報

執筆:株式会社iT 代表取締役 飯塚寛也

保有資格:ネットワークスペシャリスト、CCNP Enterpriseほか

公開・更新日:2026年9月1日